Hog 4シリーズで大規模ショーをオペする際のヒント~マニュアルより

イカ天そば(冷)のお持ち帰りをした佐藤です。こんにちは。

今回はちょっと長めの記事になりますのでお時間ある時に御覧ください。


Hog 4シリーズの卓で機材台数が多いショーをプログラムする時に、より軽く安定してオペするためのヒントがユーザマニュアルに記載されています。

その項目を補足を交えながらご紹介致します。

先に要約すると

  1. Unblockしてデータ重複を解消。トラッキングを活用
  2. Markは必要なCueだけにする
  3. 各プロセッサーへパッチの均等分配してもパフォーマンスへの影響はわずか
  4. 全く同じ動きをするフィクスチャーがあるならダブルパッチ
  5. 「User Preferences」の{Programming}タブで{Select all fixtures when activated}をオフ
  6. 小数点付きフィクスチャーを使う
  7. プロット内に大量のフィクスチャーを配置しすぎない

では詳しく見ていきましょう


大規模なショーで作業するためのヒント

 

1 キューリストをアンブロック(Unblock)してください

これによりキューのサイズが小さくなり、エディターの読み込みが早くなってショーを実行しているすべてのプロセッサーでメモリーの節約になります。

補足>>Cueを作成する時に毎回全パラメーターを入力して各Cueにデータが入っていると処理するデータ量が多くなります。変化していないパラメーターは空にして前のCueからトラッキングすることで処理が軽くなります。作成済みのキューリストに対しては{Unblock}ボタンを使うことで、変化していない重複データを空にしてトラッキング状態にすることができます。

 

2 マーク(Mark)が必要なキューだけにマークキューを使用してください

キューがマークされるとプロセッサーは2倍の量の作業をしなければならず数万のパラメーターを含む非常に大きなキューでは、多くの場合に出力の遅延またはリフレッシュレートの低下を引き起こします。

補足>>「とりあえず」で全CueにMarkを入れているとメモリーを多く消費してしまいます。Cueを再生してみて、Markのスタンバイが必要だと判断したところのみ、入れるようにすると処理が軽くなります。Markが働くとMark欄の数値がオレンジ色に変化します。直前のCueを再生してもMarkがオレンジにならないCueにはMarkは必要ありません。

 

3 パッチの分散はメモリー使用量に関係ありません

各プロセッサーにパッチするフィクスチャーの台数をバランス良く、または均等に割り振ったとしても、単一のプロセッサーのメモリー使用量を改善することにはならず、わずかに出力パフォーマンスとしてリフレッシュレートが改善するだけです。

補足>>複数のDP8000やHPUを使用する場合にフィクスチャーを分散パッチしても各プロセッサーに流れるデータ量は同じです。大規模ショーや台数が多くなり、Cueの数が増えるとメモリーの消費量に気をつける必要があります。

 

4 重複動作のフィクスチャーを削除

プログラミング内で同じ値を出力している重複フィクスチャーをショーから削除してください。その分はフィクスチャーのシングルコピーをダブルパッチするだけにします。

補足>>同じ動きをするフィクスチャーならダブルパッチして1台のフィクスチャーで複数の実機を動かせるようにしたほうが、卓としての動作は軽くなります。

 

5 Cueなどを開いた時のオプション変更

「User Preferences」ウィンドウの{Programming}タブ内にある{Select all fixtures when activated}をオフにしてください。これにより、特にメディアピッカーとパレットディレクトリが開いている場合に大きなキューをエディターで開く際の時間が短縮されます。

補足>>[Cue]キーを2度早押しでCueエディターを開く場合などに、初期設定だとすべてのフィクスチャーを選択しています。これを選択しない状態にすることでエディターを開く時のもたつきをある程度解消できる可能性があります。

 

6 小数点付きフィクスチャーの活用

フィクスチャーの一群をより記憶しやすい整数番号で選択できるようにするために、ドット付きユーザーナンバーを使ってフィクスチャーをまとめます。

補足>>LEDのピクセル制御できるフィクスチャーは、既に小数点付き(ドット付き)ユーザーナンバー(器具番号)が割り振られたコンパウンドフィクスチャーを活用してもOKです。

 

7 プロットに配置するフィクスチャー数

可能な場合は各プロットウィンドウ内のフィクスチャーは1000台未満に保ってください。1つのプロットウィンドウに対する負荷を減らすために、ステージの違うエリアごとに個別のプロットを作成してください。これにより表示している1つのプロットウィンドウで実行しなければならない描画量を削減することができ、大量のフィクスチャーを選択する時にデスクトップの反応が改善します。もしピクセルマッピングをするために1000台以上のフィクスチャーを1つのプロットに配置する必要がある場合、配置やプロパティを調整する時に限りプロットウィンドウを開いてください。デスクトップがプロットウィンドウを更新しようとすると動作が遅くなるように感じることがあります。

補足>>プロットは画面描画のパワーを多く使います。同様にOutputも必要のない場合には閉じておいたほうが画面操作は軽くなります。

 


文字だけの説明では分かりづらいところもあるかと思います。ご不明な点は弊社までお問い合わせください。

グループやパレットの下に文字を追加すると意外とイイ

アリの巣観察ケースを自作した佐藤です。こんにちは。

今回は意外と使われていないかもしれないHog 4の機能をご紹介

このグループのようにマス目になっているボタンなら使える

右下への文字追加ワザ

パレット・キューリストなどでもOKですよ

追加の手順は以下の画像の通り。「Comment」に文字を追加するだけです

パレット等の名前は直接[Set]キーで編集できますが、この文字は表にしてからでないと編集できません。なので仕込み場所を入れたりとか色番号を追記しておいたりとか、便利かもしれないですね。

 

好きなキーやボタンをファンクションキーに設定する

ビットのドライバーを常に持ち歩く佐藤です。こんにちは。

久しぶりにご紹介するHog 4シリーズの使い方ヒントTips(チップス)はこちら

通常はユーザーカインド、あるいはキューリストなんかを割り付けるコマンドキーとしてお使い頂いている「ファンクションキー」に自分好みのキーや画面上のボタンを設定する方法をご紹介します。

では早速手順を見てみましょう

① [Macro]キーを素早く2回押して「Macro Directory」ウィンドウを開きます。

② [Record]→「Macro Directry」の空いているところをタッチして赤い状態にします。(マクロステップの記憶開始)

③ [Pig(豚)]を押しながら[Macro]を押して記憶を終了します。赤い状態から通常に戻ります。

④ [Open]を押しながら作成したマクロのパレットをタッチ。マクロの中身が開きます。

⑤ 複数のステップがあるので1つだけ残して残りを[Delete]で削除します。

⑥ 左側の「Command」欄を選択して[Set]を押し、{Key Press}を選択

⑦ 同様に右側の「Command」で押したいキー・ボタンを選択

※ メインツールバーのソフトキーは以下のような番号割付になっています。(クリクで拡大)

ちなみに、Road Hog 4では省略されているCueを前後に送る[Skip Forward]や[Skip Backword]は{Main Playback}にあります。

⑧ 作成したマクロを閉じたらコマンドラインの「KIND」をタッチして「CMD」に変更します。(すでに「CMD」ならこの手順は不要)

⑨ 「Macro Directory」で作成したマクロパレットをタッチしてから[Move]を押し、割り付けたいファンクションキーを押します。

以上で自分好みのキーやボタンがファンクションキーに割り付けられました。ポチッと押してみてください。

応用として、マクロ作成時に複数手順のマクロを作れば、同じようにファンクションキーに割り付けることもできますよ

Hog 4 OS v3.15.0の日本語リリースノート

iPhoneの電池が1日持たなくなってきた佐藤です。こんにちは。

先にTwitterやFacobookで解説していたHog 4 OS v3.15.0の日本語リリースノート(新機能解説・バグ情報)をサポートサイトへ掲載しました。

リリースノート(PDF)のダウンロードは下の画像をクリック!

今回のリリースではMIDIコントローラーを使う際の割り付け自由度がアップしたり

エフェクトのタップテンポ(音楽に合わせてエフェクト速度を調整)の機能追加が大きな変更ポイントですね。

エフェクトタップについては、YouTubeの解説動画も合わせて御覧ください。文字で読むよりもこっちのほうがわかりやすかも・・・

Viewでウィンドウを重ねるようにして表示させる

エアコンのファン掃除に疲れ果てた佐藤です。こんにちは。

今回は何気なく使っているViewの設定変更のヒントです。

Viewに登録したウィンドウ構成は、初期設定だと今開いているウィンドウを閉じて登録した時に開いていたウィンドウだけを表示する設定になっています。

これだとグループとかカラーピッカー(色の円盤)のウィンドウだけを追加で表示したいとき不便ですね。これを解消する手順を見てみましょう。

今、Viewにはサンプルとして基本のView設定 {Default} と

カラーピッカーだけが表示されたView {ColorPicker} があります。

変更方法

① [Open]キーを押しながら画面上部の{View}ボタンを押して「View Directory」ウィンドウを開きます。スプレッドシートボタン(下図)を押します。

② 重ねたいViewの「Additive」欄をダブルクリック(または選択して[Set]キー)して「Yes」に変えます。

③ すると基本のウィンドウを開いた状態で{Color Picker}のViewボタンを押すと、現在のウィンドウに重なるようにカラーピッカーのウィンドウが表示されました。

この設定は、例えばCueを編集するCueエディター([Cue]キーを2度押しして表示するウィンドウ)を開きながらグループのウィンドウを開きたい場合などに便利です。

AdditiveをYesにしないでグループを登録したViewを開くとCueエディターのウィンドウが閉じて編集を終了してしまい使いづらいことになります。

意外と見落としがちが設定ですので一度お試しください。